救いを求めて旅と酒

やや思想が偏った旅行記です

伊東で酒カスしたら”正解”を見つけた話

たから氏というTwitterでお世話になっている悪い酒カスと通話しながら飲んでいた時に

「旅館に泊まってブログとか執筆したい・・・したくない?」

という流れになり、実際に行ってみることにした。

実際は執筆など全くせず、しこたま酒を飲むだけの旅行になってしまったが・・・

 

今回はその記録である。

 

場所は両者の中間にしようということで、伊東市になった。

最初は熱海にしようと思ってたんだけど宿が高すぎた。

 

伊豆で執筆。ええやん・・・川端康成的な?

伊豆の踊り子』よろしく美少女と邂逅するボーイ・ミーツ・ガールを期待したいところだが、私が会うのは異常独身男性。

かく言う私も異常独身男性。異常独身男性・ミーツ・異常独身男性なのである。

 

2023年12月16日

道中、虹を発見。

日本では西暦1200年ごろまで虹は生き物と考えられていたらしい。

科学が世界を解き明かすことは偉大ではあるが、その一方で、この世の謎がどんどん解明されていって、人々から想像の余地が失われてしまうことはとても悲しいと感じる。

昨今は科学をもとにした正しさや合理性を追求することばかりが求められるが、虹を見て「生き物だ~!」とか騒いだり、夜空の光る点と点を結んで「う~ん、これは羊!w」とかやってるのも、人間にとって必要なことだと思う。

・・・しょっぱなから思想が出てしまった。

 

 

到着。

早く着いてしまったので、町をぶらぶら

 

オモムキストリート

 

今日泊まる宿。「K's HOUSE」

善すぎんだろ・・・

松の木が重装歩兵の槍みたいでいいね(意味不明)

 

宿の前には川が流れている。

うん、いやらしい。

 

じゃあ、一足先にキめていくわね・・・

静岡麦酒

ビールを麦酒って書くの、好き。

 

謎の鳥。

 

川辺で酒飲みながら野鳥を眺めるの好きなんだよね。

はたから見たら全てを失った人に見えると思う。

 

・・・

 

飲み終えたところでたから氏が到着。

 

時刻は12時半。メシだー!(ドンっ)

 

海の方に歩いていたら大丈夫かなって感じの飲食店を発見。

 

舟や

この店にはとてつもない引力が働いており、我々はまんまと店内に引き寄せられた。

 

「おばあちゃんのイデア」みたいなおばあちゃんが出てきて接客してくれた。

 

日替わりランチ 2,000円を注文。

注文を受けてから魚をさばくため少し時間がかかるとのこと。

 

その間お酒をちびちび飲みますかね。

「概念」しか書かれていないメニュー表。

ビール(大瓶) 750円を注文。

 

実家のような安心感。

 


先にサザエが到着。

ウンメ!!

8年ぶりくらいに食べた気がする。その時は別においしいとは思わなかったんだけど、
これはめちゃくちゃおいしい。

もしかして当たりの店を引いてしまったか?

 

こういうのでいいんだよランチが到着。

はい、本当にありがとうございます。

 

キンメダイ(だったと思う)の煮つけ

実は煮魚って苦手なんだけど、これは心の底からおいしいって思えた。

甘辛な味が濃くて、ご飯が進む進む。


お刺身 マグロと鯵となんか(忘れた)

 

鯵デッッッ

写真だと伝わらないけど、「え!?こんなデカい鯵の刺身見たことある!?」って会話するくらいにはデカかった。

味も最高。アジだけにw

 

漬物も素朴な味でおいしい。多分本体のおばあちゃんを倒さないと無限に湧き続けるタイプの漬物。

 

これで2,000円とは、とんでもない当たりを引いてしまった。

ごちそうさまでした。

 

ランチの到着を待っている間に周囲の面白そうな場所を調べていたら、
ブルワリーを発見したので、行ってみることにした。

 

12月にブルワリーかよって思うかもしれないが、

今日暑いんだよ。(気温22度)

22℉じゃなくて22℃な。

 

JOYNT BREWING Co.

オシャレな店内

 

すまねぇアメリカ語はさっぱりなんだ

 

タップで注いでくれる。

 

②IMPERIAL LEMON, LIME SUMMER ALE

 「OH WELL, OH WELL, OH WELL, OH WELL」を注文。

 

名前は小説や歌からの引用らしいが、さっぱりわからない。

Happy HourでTesterの価格550円でRegular 1,100円の量になるとのことだったので、それにした。

 

爽やかなホップの風味と柑橘系の瑞々しさと程よい酸味が鼻孔を突き抜ける。

目を瞑ると、西海岸のビーチにいるような錯覚すら覚える。行ったことないけど。

 

次は

③NE IPA「WHEREVER, WHATEVER, HAVE A NICE DAY!」

 

これはめちゃめちゃ飲みやすい。

ビールの苦みが苦手って人に飲んでもらいたい。

 

最後は

①CITRA IPA 「I MEANT TO DO THAT!」

 

ホップの運動会的な味がする。ホップが強いんだけど、シトラスやライムをのような柑橘の香りも口の中にふわっと広がって・・・OCです。

CITRAっていうアメリカ産のホップを使用しており、それが強い柑橘系の香りを出すようだ。

あとアルコール度数が7.2%と軽快な飲み口に対して殺意が高すぎる。

 

お店の奥から醸造を担当しているというアメリカ人が出てきたので、少し話した。(TOEICのリスニング問題を2倍速にしたくらいのスピードで話すため3割くらいしか聞き取れなかった)

 

このブルワリーでは、アメリカンIPA(西海岸発祥なのでWest Coast IPAとも呼ばれる)をメインに作っているようで、その特徴は下記の通り。

・アルコール度数が高い

・ホップの苦み

・酸っぱい系のフルーティーなアロマ

 

日本のビールはおいしいけど辛口ばかりで、西海岸のタップルームで飲んだビールが忘れられなかった的なことを話していた気がする。

 

一通り説明を聞いたところで、たから氏が

「あかん、このままだと”正解”に近づいてしまう・・・」

 

Q. 飲めば飲むほど”正解”に近づくもの、なーんだ?

A. 酒

 

"正解"にたどり着く前に宿に戻る。

 

 

・・・

 

時刻は15時過ぎ。

†CHECK IN†

 

ああ~いけませんね

 

そして内湯付き(写真は公式HPから拝借)

これで1人1泊4,000円。バグかな?

 

 

内湯に入ってさっぱりした後で、

あの空間でブログを書くことにした。川端康成モード突入。



iPadBluetoothキーボードではてなブログを書いてみる試みを始めてやったのだが、意外とPCと同じような使用感で執筆ができて「アリだな」と思った。

 

ただ、館内のWi-Fiが貧弱だったり、猥談が盛り上がったりして執筆に適した環境ではなかったため、早めに切り上げて夕飯を食べに行くことにした。

 

ホルモン 魂


かんぱ~い

ホッピーのリターナブル瓶でしか得られない栄養素があるよな。

よ~し今日はホルモンを焼くゾェ・・・w

 

たぶん、ハツ

 

レバーとか色々頼んだんだけど、

 

この「油大腸」っていうのがマジでおいしくて、後半は無限に油大腸を頼んでいた。

ムニュっと感と、油の甘さが癖になる。

油ギトギトのはずなのに、スッっと飲み込めて、口の中に油の嫌な感じが残らない。

不思議な感じ。

 

ナパームみたいによく燃える。

 

あーもうボイロ界隈みたいになっちゃったよ

 

夜の宿



机の上の治安が悪い

 

コンビニで売られていた伊豆の国

おいしかったのは覚えている。味は覚えていない。

 

紲星あかりちゃんが可愛いよねって話になって、限界こじらせ概念暴露大会が始まった。

自分が一番好きな概念は

「マスターはとっくにこの世を去っているということを"認識"せず、毎日毎日マスターの分のご飯を無限に作っては腐らせ続ける紲星あかり」

 

 

一通り語り散らかした後に内湯に入って就寝。
モンスターハンターポータブル 3rdみたいな頻度で風呂に入った。

 

和室で寝るのって修学旅行感あっていいよね。

 

・・・

翌日

 

朝日に照らされている

チェックアウトの10時ギリギリまでのんびりしてしまった。

朝ごはんか昼ごはんかわからないメシを喰らいに行く。

 

ふじいち

(お店の写真を撮り忘れたのでGoogle Mapsから拝借)

 

干物屋さんかな?とも思ったが伊勢海老や貝類もあった。

2階が飲食店となっている。

まだ全然客はいなかったが、すぐに満席となった。

 

おまかせ定食 1,650円をいただくことに。

 

うひょ~

 

鯵の干物らしい。油が乗っていて噛めば噛むほど旨味が広がって、最高すぎた。

そしてご飯のおかわりが自由。ヤバすぎる。

 

んでんでwwwなんと1階で買った干物等を2階に持ってきて食べることが可能なのだとか。

やるしかないよね。

 

という訳で、何か忘れたけど珍しい(らしい)魚の干物、フグの干物、サザエとハマグリを購入した。

 

この場で調理できるの、贅沢すぎる・・・



これはエッチすぎますねぇ。

 

最the高だろ・・・

ごはんもお代わりしてしまい、かなり満腹になった。

 

 

・・・

 

 

最後にちょっと海の方をぶらぶら。

昨日と打って変わって今日は寒いし風が強い。

 

お互いここから帰るし、明日は仕事だしということで、12時半くらいには解散した。

 

 

なんというか、満足感が高すぎた。

泊まる場所を決めただけで全部行き当たりばったりで、

ご飯もGoogleMapsを開いて「現在営業中」ってなっている近いところを選んだりした。たまたま全てにおいて当たりを引いただけで、計画性などない。

でも、

こういうのでいいんだよ

っていう旅行を久しぶりにできた気がする。

 

 

ここからは強い思想を伴った自分語りが展開されるので注意。

 

私は旅行する時に、観光地をたくさん廻ったり予定をパンパンに詰め込んで「元を取る」ことばかり考えたりしてしまう。

あと、みんなが行っている観光地とか、話題の飲食店とか、Twitterとかインスタとかで毎日流れてきて、「自分も行こうかな~」って思ったりする。

世間ウケも良いし?、ツイートしたらみんな「いいね」くれるし?動画にしたら再生数も期待できるかも?

そういうのをパンパンに詰め込んで、人に自慢できるような旅行をしようとする。

気が付くと、趣味や息抜きのはずの旅行に「人からどう思われるか」という要素が入り込んでいる。そして、「あそこも行かなきゃ、これも食べなきゃ」という使命感に襲われながら旅行している。

 

こういうことに気づいちゃう自分賢いwとか、そういう旅行をすることは愚かwとか、そんな野暮なことを言いたい訳ではない。

みんなが良いって言っているところに行くというのは素晴らしいことだ。なぜなら、間違いがないし、他の人と喜びや感動を共有できる。

実際自分だってどこに行くか考える際、Twitterで見た場所やテレビで話題のお店を選択することがほとんどだ。知らん訳の分からん場所に行って失敗したくないし。「人気の○○ってところ行ってさァー」って言えばちゃんとした人間に擬態できるし。

そもそも本当に人のことを気にしていないのであればこんなブログは書かないし、Twitterなんかやっていない。

 

では何が言いたいかというと、みんなが言う「人気」の場所に沢山行くのもいいけど、たまには何も考えないで、とりわけ有名って訳でもなく、何があるのかも分からない、”映える”訳でもない場所で、だらだらと酒を飲みながら過ごしてみるような旅行もいいのではないだろうか。ということ。

 

伊東で酒カスをしたら、ひとつの”正解”を見つけた気がした。

分断がテーマのバックパック旅 その8日目:イスラエル⑥ ドキドキ出国編

 

 

2018年9月10日(8日目)

今日はイスラエル国からキプロス共和国へ移動。

空港でレンタカーを借りてアヤナパという街まで行く。。。予定。

 

ホテルをチェックアウトし、タクシーで空港へ向かう。

今日はユダヤ歴の正月で、電車もバスも運休なのだ。

朝7時、空港到着。

10時45分発の飛行機だが、かなり早く着いてしまった。

 「CO 483 LARNACA 10:45」に乗りたい。

なぜこんなに早い時間に来てビビり散らかしてるかというと、

前回記載した通り、イスラエルは出国が世界で最も厳しい国のひとつなのだ

 

出国にあたり、1つでもやらかすと別室送りになる。

※「別室送り」は海外旅行界隈の用語で、海外での入国審査や出国審査時に危険人物とみなされた旅行者が、謎の密室に誘導されて様々な取り調べを受けさせられるとこを意味する。

 

我々は別室送りになってもワンチャン飛行機に乗り遅れないで済むように、ありえんほど早く来たという訳だ。

 

 

ここで改めて出国時の流れをおさらいしよう。

 

【通常の流れ】
チェックイン

手荷物検査

出国審査

出発

 

日本から海外に行くときも、海外から日本に帰る時も、ほとんどがこの流れだ。

出国検査の際に審査官がパスポートをパラパラめくって渡航歴を確認して、顔を見たりして怪しくなければ出国OKとなる。

 

そもそも日本人は世界レベルで人畜無害扱いを受けているため、こういう時

「え?お前ちゃんと仕事した??」って思うレベルですんなり出入国できる。

 

 

が、イスラエルの場合はどうだろう

 

イスラエルの場合】
チェックイン

☆空港職員と面接

☆手荷物検査(エクストリーム)

全身検査

出国審査

出発

 

 

?????

 

 

この面接と手荷物検査で地雷を踏むと、即別室送りになる。

 

どんなところに地雷が埋まっているかは追々説明をしよう。

ちなみに空港の写真はほとんどないので文章ばかりになってしまう。

許してクレメンス。

 

 

という訳で早速チェックイン

これはびっくりするほどあっさり終わった。

日本の空港でチェックインするのとまったく一緒。

 

次は空港職員との面接

チェックインカウンターの近くにテーブル?台?があり、チェックインが終わると強制的に案内される。

 

グループでチェックインしても面接は一人ずつしか受け付けられない

職員とは英語で話さなければならないため、多少の語学能力が必要だ。

 

面接のトップバッターは私になった。

 

ざっくりこんな内容を話した。

Q. パスポートと搭乗券を見せなさい。
A. はい。(渡す)

 

Q. 1人で来た?
A. 2人で来た。

 

Q. いつお前のホームカントリーを出た?
A. 9月3日

 

Q. いつイスラエルに入国した?
A. 9月5日

 

Q. イスラエルの前はどこの国にいた?
A. ロシア

 

Q. どこに泊まった?
A. イェルサレムとテルアビブ

 

Q. ホテルの名前は?
A. (スマホを見せる)

 

Q. いつ日本に帰る予定だ?
A. 9月20日

 

「質問は以上だ」

「うい~」

 

このタイミングでパスポートの後ろにシールを貼られる。これで面接は終了。

この面接やのちの検査に関して、日本人バックパッカーの中でまことしやかに噂されている地雷がある


それは…
イスラム圏の渡航歴があると別室送り
パレスチナに行ってると別室送り
③シールの番号の下一桁が4〜6だと別室送り

ということ。

 

 

イスラム圏の渡航歴があると別室送り
マレーシア、インドネシア、トルコ、アラブ首長国連邦サウジアラビア…まあこんな感じの国だ

 

イスラエル中東戦争の歴史があってイスラム教国とはまぁ仲が悪い。

 

「お前、イスラム圏に行った後にウチに来るってことは…

何かテロを起こす気だな!?!?」

 

と糖質もびっくりな思考回路で警戒されて詰む。そして後述のシールの番号に影響が出る

 

 

幸い自分はそれらの国への渡航歴がなかったのでセーフ。

これからトルコに行くけどな!HAHA!!

 

 

 

パレスチナに行ってると別室送り

読んで字のごとく。パレスチナに行ったことがバレると詰み。

 

行ってるんだよな~俺たち

 

パレスチナに行くとアウトな理由は、敵国であるパレスチナに何かの支援したと思われるから

 

とりあえず現地で撮影した写真とかはうまいこと隠そうね!

 

 

 

③シールの番号の下一桁が4〜6だと別室送り
これもまたバックパッカー達の間で噂されている話

面接の後にパスポートに貼られるシールはこんな感じ。
5年前に貼られたやつだからだいぶ古びてしまってる。

 

パスポートにシール貼っちゃだめっておとうさんやおかあさんから教わらなかった??

 

ここで重要なのは下一桁。

下一桁は1〜6のどれかになる。

 

1〜3・・・セーフ(無害認定)
4   ・・・微注意人物認定。確率で別室送り
5〜6・・・アウト。別室送り

 

日本人の旅行ブログを見ると

「自分は2だったけど一緒に行った友達が5で、その結果友達だけ別室に連行された」とか
「私は4でしたが別室送りになりました」とかいろんな体験談がある。

 

とりあえず、貼られたシールが4以上なら詰み。

 

私は2だったのでセーフ。
日頃の行いがいいから仕方ない。

 

 

安堵したところで、今度は同行者が面接をする番が来たので遠くから聞き耳

 

1d100
《聞き耳》 25%→??

 

《聞き耳》 25%→5(クリティカル!)

 

 

うーん、聞こえる聞こえる・・・

 

Q. どこから来た?

A. 日本

 

Q. いつ日本に帰る予定だ?
A. 9月3日(今日は9月10日)
Q. ???

 

時空超越系ガイジ爆誕。英語でうまいこと会話できてなくて間違った回答してんな

 

Q. (パスポートを開く)
直前の旅行先、マレーシア、アラブ首長国連邦、インドのスタンプが押されている。

数え役満渡航がそこにはあった。


Q. マレーシアに家族はいるか?
Q. アラブ首長国連邦に家族や友達はいるか?
Q. お前この国で何やってた?

 

怒涛の質問ラッシュを受けていた。

 

 

数分後・・・

 

 

同行者(干からびた顔でやってくる)

私「シールの下一桁なんだった?」
同(スッ・・・)

 

パスポート「7」

 

7!?!?!?!?!?wwwwww

 

1〜6までしか存在しないはずなのに

7!?!?!?

 


面白すぎる

 

あ、これ詰んだな

 

「彼はイスラム教徒とつながりを持っており、

イスラム教国に赴き反ユダヤの過激派と何か怪しい取引をした後にイスラエル渡航

そこでパレスチナ人と会い、イスラエルに不利益な情報や物資を提供した人物に違いない」

 

たぶんこんなシナリオが空港職員の中で組まれたのだろう。

そうじゃなければ前代未聞の7などとるわけがない。

 

 

あ~飛行機取り直しか〜幾らになるかなぁ…

いつ解放されるかなぁ…

なんかキチゲ溜まってきたなぁ…解放したいなぁ…

 

最悪の想定を頭の中でグルグルさせて、

胃がキュゥゥゥウウ…って締め付けられる


変な笑いが込み上げてきた。

 

 

まあいいや。同行者は別室送り確定として

まだ私の身が安全なことが確定したわけではない。

 

手荷物検査でパソコンやカメラを待ってるとデータをみせるよう要求されることがあるとか
そこでパレスチナに行った事が明らかになると別室送り。

 

なんとかなれーーーッ!!!(ちいかわ)

 

 

まあ、手荷物検査でPCやスマホ、カメラの中を見られることは想定しているので、

パレスチナで撮った写真はPCの中に非表示フォルダを作ってそこに避難させた。

 

なんでこんなリスクを冒してまでパレスチナに行ったのか・・・

出国の時にドキドキ感味わいたかったからである。

 

ちょっと後悔してる。

 

 

 

 

手荷物検査

身体検査

 

手荷物検査に進もうとしたら空港職員に呼び止められて急遽廊下の脇で検査を実施することに。

ん??目つけられてんな我々????

 

靴と靴下を脱がされた。

3種類の棒を服の全ポケット、かばんの全ポケットに突っ込まれた。

何の検査なんだろう・・・

 

手荷物検査と身体検査、これだけで15分くらい掛かった。

日本なら3分かからんぞ。

 

幸い、スマホ等は見られなかった。

見てもいいんだぞ??俺はお前たちの一枚上手を行ってるがなぁ???

 

なんだかんだで手荷物検査と身体検査は終了。

 

 

あとは出国審査のみ。

そろそろ別室送りかな~~

 

と思ったら特に何事もなく、

出国審査も秒で終わって自由になった。

 

 

あれ??俺たち問題なかったってコト!?

 

拍子抜けだな??

 

結局のところ、シールの番号の噂はデマであることが発覚

数々の地雷を回避し、別室送りにはならなかった。

 

なんだよ!!!!もう!!!!胃を痛めて損した!!

何はともあれ、、、、

 

自由だ~!!!!

 

 

この時の自分のインスタグラム。

殺意に満ちている。

 

 

 

空港でやることと言ったら一つしかないよね。

そう、ラウンジ乞食。

goo.gl

タダ酒、タダメシうんめ~!!!!!
プレッシャーから解放された後の酒はくっそ美味い

アルコールが五臓六腑に染み渡る。。。

 

そういえば、イスラエルは入国時と出国時に、

パスポートにスタンプを押さない代わりに変な紙をくれる。

入国は青。出国は赤だ。

 

パスポートにイスラエルのスタンプが押してあると、イスラム圏にはまず行けなくなるからね。

イスラエルはその辺の空気を読んでスタンプを押さないで紙で対応しているのだ。

 

おまえやればできるじゃねーかよ

 

ちなみに出国時に、青い紙をなくしていると別室送り

もうなんなんだお前。

 

 

でももうこんなヤバい国とはおさらばできるんだ。

その幸せだけで酒が美味い。

あ~お代わりしよ・・・・・ん?

 

 

/(^o^)\

 

 

気分上がりすぎてこの後車運転することを忘れてた。

同行者に謝罪。お許しを得る。ヨシ!!飲も!!!

 

 

 

・・・

 

 

飛行機に乗る。

コバルト航空 テルアビブ→ラルナカ


ウィイイイ!!!!!!!!!

 

 

言論の自由表現の自由が保障された途端キチゲ解放。

この頃の口癖が

「キッパ引っぺがしてひっぱたいてやりたい」

だった。

 

どうして我々はこんな人間になってしまったのだろうか。

その真相を探るべく、イスラエルに行ってみてほしい。

 

 

・・・

 

 

イスラエルから解放され、キプロスに到着。

 

 

キプロス共和国

 

 

時刻は13時くらい

キプロスの名古屋、ラルナカ国際空港

 

いや、名古屋は適当。

 

ギリシア文字がお出迎え。

キプロスギリシア語を使うようだ。

厨二感があって良い。

 

キプロスはヨーロッパ人たちの、日本でいうところのハワイ的なポジションらしい。

連休とって家族で行って、海に入ってバカンスする感じ? 素敵やん・・・

 

我々からしたら、

イスラエルとかいう修羅を潜り抜けた後のボーナスステージって感じ

 

この旅行のボーナスステージ・・・楽しみつくしてやる

 

 

てなわけで、レンタカーを借りに行く。

 

 

KEM Rental Cars

私は酒を飲んでいるせいで運転できないので、同行者が運転する。ごめんね。

 

 

スタッフ「~ please fill petrol~」

同行者「ぺ・・・何?」

私「petrol。ガソリン」

スタッフ「YES! "GASORIN"」

 

一同「www」

 

英語でガソリンのことガソリンって言わないんだよね。

 

 

 

借りる車は日産のマーチ。

せっかくならヨーロッパの車に乗りたかったな~と思いつつ、日本車がこんなところにも進出してるのをうれしく思ったりした。

 

ここからしばらくは車旅になる。

海外での運転、正直怖い。でも楽しみ。

 

キプロスは日本と同じ左側通行なので安心して運転できる。

運転しているの私じゃないけど

 

アヤナパのホテルに到着。

例によって(ry


Millie's Apts

 

家主のおばあちゃんに「男二人かい!アハハハハ!」って言われた。

文句あっか

またまたGoogleからの借り物だが部屋はこんな感じだった。

 

ダブルベッド・・・普通だな!!(麻痺)

 

 

・・・

 

 

その後は時間が余ったので海を見に行ったりした。

この世ではない感じ。良い。



立ち入り禁止の橋でヨガのポーズをとる謎の外国人に遭遇

頭おかしい。怖すぎる。

 

話してる言葉を聞くに、おそらくロシア人。

ここのヨガ女といいイェルサレムで出会った割り込みババアといい、

ロシア人って頭おかしいのかな(暴言)

 

イスラエルの方向に中指を立てる

 

ぜってー許さねぇからな。

 

 

 

・・・

 

 

夕飯を食べる

 

海辺のオシャレな店へ。

goo.gl

 

あああ^~

久しぶりのまともな食事。

5日間ずーっとファラフェルばっか食べてたから肉がおいしすぎて頭爆発しそうになった。

 

これで1600円くらい。最高。

久しぶりに健康で文化的な最低限度の生活を送れて涙出そうになった。

 

キプロスはこんな感じの、一枚の皿にいろんな食べ物が乗っかってる料理・・・名前忘れた・・・が有名らしい。

マジで名前が思い出せない。思い出したら記載します(GAUGE)

 

 

・・・

 

 

そして今日はもう疲労困憊なので早々に寝ることにする。

解放の喜びと安心感と疲れが一気に襲い掛かってきた。

今日はダブルベッドでもスヤスヤ眠れる。

 

 

明日からまた新世界。

 

イスラエル編が終わり、キプロス編がはじまる・・・

 

 

 

次回、9日目:キプロス②・・・

 

つづく

分断がテーマのバックパック旅 その7日目:イスラエル⑤ テルアビブ

新生活だのなんだのでバタバタしてたら期間が開いてしまった。。。ごめんね。

 

今回はいつにも増して思想が偏っているのでご注意ください。

 

 

2018年9月9日(7日目)

 

昨日知ったんだけど、明日9月10日はユダヤ歴の正月

というわけで今日は晦日になる。





ユダヤ人ってお正月何かするのかな~」と思って調べたところ、

・電車、バスは原則運休となる

ユダヤ人は仕事をせず家族との安息の時間を過ごす。

 

ファッ!?最悪空港に行けずに詰むパターンじゃねこれ??

 

んでんでwww 新年から10日目が一番面白い。

ユダヤ教「贖罪の日」らしく、神に一年の罪を償う日だそうだ。

 

この日だけは、普段は態度がデカいユダヤ人も謙虚になって
火を使わない
電気も使わない
車も乗らない
公共交通機関は休み
空港も閉鎖する

 

急に原始的な生活にもどって草

この日は観光トラブルも多いみたい。

 

これを知った我々

「一年に一回の贖罪じゃ足りないだろ!オバカ!!」

 

筑波大学の罪を贖うマイメロディを見習ってほしい。

 

イェルサレムでキチゲが解放してしまう前にさっさとテルアビブに行かなくては・・・

でもテルアビブでキチゲが解放したらテルアビブ空港乱射事件になっちゃうね(ニッコリ)

 

テルアビブ空港乱射事件 - Wikipedia

 

いかん危ない危ない・・・

トラムに乗る。イェルサレムイスラエル側)はトラムが走っていて交通の便が良い。

 

www.youtube.com

「カン・・・カン・・・」って音がオモムキがあって良い。

 

 

イェルサレムCentral Bus Station

 

バスタ新宿

 

 

相変わらず読めない文字

スマホの充電をしわすれていたのでバスについているUSBポートを使って充電。
データ吸い取られそう。

 

 

到着。

 

テルアビブ

正式名称:テルアビブ・ヤッホ

 

な~にが「ヤッホw」じゃ!




けっこうデカい都市。もうこっちが首都でええやろ。

名古屋くらいの規模(人口230万)あるのかなって思って調べたら、人口43万人

日本の底辺政令指定都市よりもよっぽど栄えてるな。

 

ちなみにテルアビブは、中東においてドバイに続く世界都市らしい。

心の中のゴロリ「ほんとかなぁ?」

 

 

ホテルに到着。

 

Central Laguardia Hotel

例によってGoogleストリートビューから拝借。

 

変な廊下。

今回泊まる部屋は・・・

ふ~ん、えっちじゃん・・・

 

ダブルベッド、窓なし、暖色系の照明がもうドスケベ仕様。

壁に描かれた「LOVE」の文字が情欲を掻き立てる。

 

勘弁してくれ。

 



・・・

 

出かける。

ぼったくりタクシー乗ったりして修羅場を迎えたりしたけど、

ユ虐感情がこれ以上芽生えても仕方ないので割愛する。

 

ぶっ〇すぞ。

 

 

・・・

 

 

同行者曰く、

テルアビブは現代建築が誕生した街らしい

 

現代建築ってなぁに?

こういう感じの集合住宅のこと。

日本にもよくある今風のアパートとかマンションとかだね。

テルアビブは1920年からこういった建物が建築されており、

現代建築の聖地らしい。

 

これらの建物も築80年~90年はザラ。そう考えるとすごい。

 

どうして現代建築が始まったかというと、とにかく合理的に建物を建てて、合理的に住みたかったかららしい。うーん、シンプル!

 

Minecraftで機能性を重視した結果、豆腐建築をするみたいな感じだと思う。

 

 

建築系を専攻していた同行者がこれらの解説を、
目をバッキバキにして語る様子には限界オタクのそれを感じた

 

自分もイェルサレム聖地巡礼してた時もこんな感じだったのかな・・・

 

 

・・・

 

 

街をぶらぶらしながら旧市街の方へ行く。

 

だんご3兄弟

 

どうしてこうなった

 

異国の看板でしか得られない栄養素がある。


 

旧市街に到着。

なんか急にオモムキめいてきた。

オモムキ時計台

 

オモムキ小路


オモムキオーシャンビュー

は?

 

めっちゃいい感じの海。

実は気温37度のなか2時間歩いているので、ちょっと海水浴した。

熱中症でマジで倒れるかと思った。

 

 

・・・

 

 

そんなこんなで日も傾いてきた。

ユダヤ教の暦だと、日が沈んだタイミングで日付変更になるらしい。

0時になったら日付変更という訳ではないようだ。

 

なんでそうなってるかというと、
旧約聖書に一日が経つ描写で「夕べがあり、朝があった。」という記載がなされており、
ユダヤ教はこれを「一日が始まるのは夕方からなんじゃね??」と解釈したためだ。
昼夜逆転してる高校生か。

 

とどのつまり、もうすぐ彼らの暦で新年を迎えることとなる。

街から人もいなくなりはじめた。

5779年1月1日が始まる。。。歴史なげぇな

みんな家に帰って家族と新年を祝うんだろうな。なんかしんみりするなぁ・・・

 

 

ここでハイラックスに乗ったユダヤ人がラジカセとメガホンを持ちながら登場。

「ハッピィィィイイイニュウウウウウウウイヤァァァァァアアアアア!!!!!!wwwwwwwwww」

(爆音で鳴り響くEDM)

 

 

どいつもこいつもテルアビブ・ヤッホみたいな頭しやがって

 

 

ずっとお酒飲んでなかったんだけどさすがに疲れてビール飲んだ。

 

ウンメッ!!!!!!

麦効いた堪えるウマさの汁。完飲以外の結末描くの困難なもの。

まさに神域ィ!!!

 

イスラエル最後の夜に酒カス。最高だな。

心の穢れを洗い流すのは祈りでも懺悔でもない。アルコールだ。

 

 

そう。明日はとうとうイスラエルを出てキプロスに行くのだ。

やっとこの国から解放される・・・ヤッホーwwww

 

だが、そう簡単には出国できないのだ

イスラエル、入国は簡単だが出国するのは世界で最も難しい国のひとつだと言われている。

 

 

日本人のイスラエル旅行記のブログを読むと、半分くらいの人は

出国直前に空港内の取り調べ室に連行→軟禁されて、4時間近く尋問を受けて、飛行機を逃していたりする。

スーツケースを壊されたり、パソコンを破壊されるケースもある。

 

うーん、面白すぎるな????

 

そして、どうやら取り調べ室に連行される人に共通する「何か」があるらしい・・・

それは一体何なのだろうか?我々は無事にイスラエルから出国できるのか!?

 

 

次回、8日目:イスラエル⑥ドキドキ出国編

 

 

つづく

 

 

 

分断がテーマのバックパック旅 その6日目:イスラエル④ パレスチナ自治区とバンクシーアート

ブログの1枚目の写真がサムネになるということにようやく気付いたのでサムネ用にキャッチーな写真を貼っておく。

 

2018年9月8日(6日目)

 

そうだ パレスチナ、行こう

ニコニコ動画なら間違いなく「例のアレ」になるネタ。

パレスチナって何?ってことだが、

めっちゃ卑近かつダメな例えをするならば、
北方領土に日本人が生き残って住んでいて、ロシアに差別されながらもなんとか生きてて、その人たちが「ここは日本だ!」って言い張って頑張って居住地を確保して暮らしてるってイメージしてもらえればいい。

 

Google Mapsでは領土が出てこない。なんでやろなぁ(すっとぼけ)

イスラエルが違反し続けているパレスチナ自治区の分割の歴史

パレスチナ歴史的にいろいろあって、領土がすこぶる小さいのもあるけど、
大人の事情で国連に認定されていない国なのである。

 

国として認めるかどうかも問題になっているため、

メディアによってパレスチナだったり、パレスチナ自治区だったり、表記がぶれている。

 

おおよそ赤で囲まれたエリアがパレスチナだと思ってもらって問題はないと思う。
いや、問題があるんだよな。めんどくせーな

 

イスラエルを出国する際、パレスチナに行ったことがばれると別室に連行され数時間の取り調べを受けることになるらしい。

こわいな~戸締りしとこ。

そんなリスクを冒してまでパレスチナに行く必要はないだって?

面白そうだから行くにきまってんだろ。

 

 

今回はベツレヘムという都市に行く。

 

ベツレヘムはイエス聖誕の地だったり、

バンクシーの絵が数多く見られることで有名だ。

 

 

旧市街近くのバスターミナルからベツレヘム行きのバスに乗る。

goo.gl

バスの運転手の趣味が全開。

Bethlehemの文字

 

言ったら空港に軟禁される割には行きやすいのがトラップすぎる。

イスラエルって国全体がハエを引き寄せるゼリーみたいな感じなのかな。

 

 

死海に行ったときみたいに急にイスラエル軍の兵隊がバスに乗り込んできてあれこれあるのかな~と身構えていたが、すんなりとパレスチナ自治区に入った。

 

パレスチナ自治区パレスチナ国)

パレスチナの旗

 

さてさて、どんな風に回ろうかな~と考えていると
謎のおっさんが車から降りてきて

バンクシー?ウォール???」

と言いながら近寄ってくる。

 

怪しい~と思いながら話を聞くと

「タクシー! I drive!Many famous place! 100 シュケル!」

※1シュケルイスラエルの通貨)30円くらいだったので、3000円くらい。

 

ここに来る前に何個かパレスチナ旅行記を読んでいたのだが、
パレスチナは観光客相手に「車で観光地案内をするからお金くれや」って言ってくる人が多い。

しかもタクシーの運転手でもなければ本当に一般人のおっさんだから面白い。

 

相場はわかっていたのだが、だいたい60~80シュケルくらい。

女子旅ブロガーだとなぜか40シュケルだったりする。羨ましい。

 

ちょっとごねて80シュケルにしてもらった。

100シュケル札で払ったら「Thank you」とか言っておつり返してくれなかった。

やってんな。

 

おつり返してくれなかった代わりにいろいろ連れてってもらっちゃうけどね。

街からヘブライ語が消えた。

 

あと、信号待ちで車が止まると、どこからともなく子供が出てきて車の窓を拭きに来る。

窓を拭いた後に「金くれ」のポーズをする。

どうやら窓を拭いて車に乗ってる人にお金を貰うことで生計を立てているようだ。

 

車に乗っている人はみんな無視するのだが、たまにお金をくれる優しい人もいるのかな。

10歳にも満たない、小汚い恰好をした子供がお金を稼ぐために一生懸命窓拭きをする光景は見てて悲しかった。

 

とか言いつつ自分もお金あげてないんだけどさ。

 

聖誕教会

 

 

そんなこんなで最初の目的地、聖誕教会(降誕教会)に到着。

ベツレヘムのこの場所が、イエスが生まれた場所だとかなんとか。

昨日の「悲しみの道」巡りの時も思ったが、キリスト教のガチ勢たちはイエス関連で出来事が起きた場所に教会を建てすぎなのである。

 

「ここでイエスが生まれたんか!教会建てたろ!」

はえ~ここでイエスが鞭打ちにされたんか!教会建てたろ!」

「ここで転んだんか!教会建てたろ!」

「グエ~イエス様死んだンゴ・・・ここに教会建てたろ!」

 

なんJ民の鑑。なんJのJはJesusなのかもしれない。

内村鑑三に怒られそう。

 

こんな感じで生まれたんやでっていうやつ。

もうちょっとこう・・・なんとかならんかったのか?と思ったり思わなかったりした。

 

礼拝堂。ステンドグラスに日が差し込んで神々しい。

教会ってこういうの計算されてるんだろうね。すごいなぁ(コナミ

 

同じ教会にあるまた別の礼拝堂。

 

エスが生まれた場所なだけあって、装飾のガチさが尋常じゃない。

日本の宗教はどちらかというと質素な建物が多いと思うから、
こういった豪華絢爛な宗教施設は圧倒される。

 

 

バンクシーのアートを見に行く。

パレスチナ側はなんというか、町が寂れてる。

街を歩く人も、余暇時間や可処分所得を消費して楽しんでいる感じの人はほぼおらず、
みんな生きるために必死な感じがする。
イスラエルに追いやられたアラブ人たちがなんとか頑張って暮らしてるって感じがすごくする。

決して一事が万事そんなことはないとは思うけど、とにかく、
イスラエル側にいるユダヤ人たちにある「余裕さ」がパレスチナにいるアラブ人には感じられなかった。

 

バンクシーのアート

 

バンクシーという名前は誰もが聞いたことがあるであろう。
アートの巨匠と言われている現代アート家。

彼については、その素顔も、年齢も、何もわかっていないのだから面白い。

彼の特徴は「ステンシルアート」と呼ばれるものだ。

ざっくり言うと、時間をかけてじっくり絵を描くのではなく、
型を持ってきて、上からスプレーで「シャー!」てやって秒で絵を残して秒で帰る。

 

その絵も政治的なメッセージが強いため「芸術テロリスト」と言われることもあるそう。

そんなバンクシーパレスチナに赴き描いたとされるアートをこれから見ようではないか。

 

有名な、爆弾じゃなくて花束投げる男の絵

 

その辺の塀とか壁に描かれているからその辺の落書きと同一視しちゃうけど
バンクシーが描いた絵ってだけで世界中から人々が集まるからすごい。

 

パレスチナに足を運んでくる人を増やして、パレスチナで起きている問題を知ってほしいとか、パレスチナにお金を落としてほしいとか、そういう狙いがあるのかもしれない。

 

イスラエルパレスチナの国境にある分離壁

イスラエル側が勝手に建設して、パレスチナに住んでいる人々の来往を阻んでいる。

ここにもバンクシーの有名な絵があったはずなんだが・・・見つからなかった。

 

ネットからの拾い物で恐縮だが、こんな絵。

 

バンクシーパレスチナでこのアートを作成したあと、次のようなコメントを残している。

 

イスラエル政府はパレスチナ自治区を取り囲む壁を建設している。この分離壁ベルリンの壁より3倍も高く、完成すると全長700キロメートルにも及ぶ。これは、ロンドンからチューリッヒまでの距離と同じだ。この分離壁は、国際法上では違法で、パレスチナを世界一大きな刑務所に変えた。

 

結構政治的な考えが強いな~と。
彼が思い描く正義や、彼が失くしたいこの世の不条理や悪といったものを人々に訴えかける手段として用いたのがアートなんだなと改めて認識した。

 

壁は、世界中からやってきた名も無きアーティストたちによる落書きで埋め尽くされている。

このトランプはちょっと笑った。

 


見たいところも見れたので、イェルサレムに戻る。

せっかくだからまた旧市街に行ってみるか。

 

すっかり夜。



夜の旧市街。昼間とはうってかわってしっとりとした陰鬱さがあっていい感じ。

 

嘆きの壁ではユダヤ人が相変わらず嘆いていた。

 

この黒いスーツを来た人たちはユダヤ教の中でも「超正統派」と言われる人たちで、

ユダヤ教の中でもかなり厳格な派閥らしい。

もみあげを伸ばしているのだが、それも神からの教えに従っているのだとかなんとか。

 

そして超正統派は仕事をしない。
なぜなら生涯神に仕えて聖書を研究することが超正統派のやることだからだ。

「俺たちは聖書を研究することに忙しいんだ。仕事は他の民族やユルい宗派の奴らがやればいいだろ」のスタンス。

超正統派は仕事をしないから全員生活保護で生きている。

ひろゆきも真っ青。

そして超正統派は聖書の教えに真面目だから子供を作りまくる。

そして子供も超正統派だから仕事をしない。

そんな訳で超正統派はイスラエルの財政を圧迫しまくるから、イスラエルの中では嫌われてるというか、腫物の扱いを受けているようだ。

面白すぎる。

 

パレスチナに住んでいる人たちはあんなに苦しい思いをしながら今日明日生きるお金を稼いでるというのに、お前らはパレスチナ人から搾り取った土地でのんきにニート生活をエンジョイしやがって・・・

 

おっと危ない、反ユに目覚めるところだった。

ブログに書いていないだけで割と差別的な扱いを受けてたりしているので、
どっかのちょび髭おじさんになりかけるところだった。

 

はやくホテルに戻らなきゃ。

今日は旧市街の近くに泊まってみたいということで、違うホテルを予約している。

いつもと違う帰り道、楽しみ。

 

 

旧市街を歩く。



ゴミのポイ捨てがめっちゃ多い。くさい

よく神様に最も近い聖地でこんなことできるなーと民度の低さに衝撃を受けた。

 

街の外にはアラブ人たちの青果市場があった。



ユダヤ人はいない。

イスラエルにいるユダヤ人はだいたい超正統派みたいな黒スーツを着てるか、頭にキッパを被っているから一目でユダヤ人だとわかる。

ここにいるのはパレスチナ側の人=アラブ人だろう。

 

AFCとかいうコテコテのケンタッキーをパクったご飯屋さんに入る。

 

ここ数日ファラフェルばっか食っていたのでチキンとポテトの油が五臓六腑に染み渡った。(飯の写真は撮り忘れた。ケンタッキーのフライトチキンみたいなの食べたよ。)

 

店主とその奥さんがアラブ人で、どうやら日本人観光客に会うのは初めてのようでとても良くしてくれた。いろいろしゃべった後「一緒に写真を撮ってくれ」と言われてなぜか写真を撮ったりした。

アラブ人はいい人が多いなぁ

 

 

 

帰り道、ヤク中3人組と彼らが散歩するきったねぇ犬に絡まれた。

 

 

男1「ンニィィィイイイハオ ニィィィイイイハオwwww」(迫真)

男2「ヘーイ!ユー!w 〇#$&%???!www」(腕を掴む)

女「アッキャキャキャキャwwww」

汚い犬「ワンワンワンワン!」(迫真)

 

怖くて逃げた。死ぬかと思った。

 

あいつらキッパ被ってた。

ユ〇ヤ人め。〇すぞ

 

 

 

満身創痍でホテルに到着。

 

リボリ ホテル

 

 

部屋の写真を撮り忘れたのでGoogleから拝借。

 

セミダブルベッド→ダブルベッドに昇格したのが嬉しかった。

 

このホテルのある場所が、外務省のHPにある「渡航危険区域」の中にがっつり入ってるのにこの時気づいてくそ笑った。生きて帰れるかなぁ

 

今日は死ぬかと思ったし死ぬほど疲れたし、自分自身が負の感情にかなり汚染されていることに驚いた。

 

明日は首都、テルアビブに行く。

イスラエルを抜けるまでに我々のキチゲが解放されないことを願うばかりだ。

 

次回、7日目:イスラエル⑤テルアビブ

 

つづく

分断がテーマのバックパック旅 その5日目:イスラエル③イェルサレム旧市街

2018年9月7日(5日目)

 

今日はイェルサレム旧市街に行く。

目的は聖地巡礼

 

お前らオタクがやってる聖地巡礼とは違うぞ。ガチの聖地巡礼だ。

 

旧市街ってどこだよって感じだが、こんな感じ。


 

おもっくそパレスチナ側やんけ

でもイスラエルが管理している。なんでやろな(すっとぼけ)

 

この旧市街は城壁に囲まれていて、中は古い町並みが広がっている。

そして、歴史的にも価値があるだけでなく、ユダヤ教キリスト教イスラム教の3つの宗教の聖地がここにある。

今日はその3宗教の聖地に行くのだ。

 

なんとそれらの宗教についてくっそわかりやすく解説してるブログがあるらしいぞ!

nekonotomo.hatenablog.com

ってこれ俺の記事じゃ~んwwwww

 

 

・・・

 

・・・

 

旧市街、パンドラの箱みたいな場所。

パンドラの箱、開けちゃったんだよね(関尭夫)

 

旧市街に向かう途中に歩いた道がエモい。


どこを切り取っても絵になる。

 

旧市街は壁に囲まれていて、いくつかある門から中に入ることができる。

左側の壁の中がイェルサレム旧市街。

 

ヘロデの門から入ることにした。

 

 

 

「テーマパークに来たみたいだぜ~」

って言おうと思ったけど意外と新しい建物が多い。

 

アラビア語が一気に増えた。一応パレスチナ側だからかな?

結構道が狭い。撮影したときは朝早かったので人がまばらだったが、

昼前から店が開くようになると人でにぎわっていた。

 

嘆きの壁(The Western Wall)に行く道

嘆きの壁とは・・・

イェルサレム神殿の西側の城壁。神殿は西暦70年にローマ帝国によって破壊されたが、西側の壁だけが残ったみたい。

ユダヤ教の最も重要な聖地である。

 

ローマ兵「なんやこのきっしょい神殿!ぶっこわしたろ!w」

ユダヤ人「おぉ、もう・・・残った西側の壁見て嘆こ・・・」

 

って歴史でできた場所なんだよ~って同行者に説明したら

「なんか思想偏ってない?大丈夫?」

って言われた。

 

 

奥の壁に人だかりができている。あれが嘆きの壁か~

 

男性用と女性用に分かれていて、左側が男性、右側が女性用。

嘆きの壁に近づくためにはユダヤ教ドレスコードに従わないといけない。

 

「キッパ」という帽子をかぶる必要がある。画像みたいなやつ

Amazon.co.jp: マーゲンの星 デビッド・キッパー ヤルムルケ ユダヤ教 イスラエル ユダヤ教 ユダヤ教 ヤマカ キッパ 安息日のキパ 帽子  : Clothing, Shoes & Jewelry

 

神に対して頭を隠すことて、神に対しての謙遜の意思を表す意味があるらしい。

入口の前で無料でキッパを貸し出してくれるので、さっそくかぶって嘆きの壁に近づく。

世界各地から訪れたユダヤ教徒たちが、壁の前で祈りを捧げたり、聖書を読んだりしている。

すごい光景。

 

彼らの迫害の歴史や受けてきた受難を学んだからこそ、
こうしてユダヤ人がイェルサレムの地に集まって一緒に祈りを捧げる光景は心にくるものがあった。

 

来てよかった。

 

 

 

 

ユダヤ教の聖地を見終わったところで、キリスト教聖地巡礼をする。

 

VIA DOLOROSA(悲しみの道)

 

 

ヴィア・ドロローサ(悲しみの道)は、
処刑宣告を受けたイエスが、十字架を担がされて処刑場があるゴルゴダの丘まで歩いた道。
道中にはその時に起こったイベントを示す「ステーション」(日本語での上手い言い換えができなかった)がある。

ステーションは1から14まであり、巡礼者は約1kmの悲しみの道を順番に歩き、イエスが受けた苦しみを追体験する。

 

私は「悲しみの道」を歩くため、
エスが死刑宣告を受けてから、磔にされるまでを描いた映画「パッション」
を観て予習をしてきた。

パッション の映画情報 - Yahoo!映画

パッションっていうと情熱って意味として捉えられるけど、
ここでの意味は「受難」。
この映画の原題は「The Passion of The Christ」=救世主の受難

 

この映画の中で、イエスは十字架を背負いながら歩く。それがこれから私が歩く「悲しみの道」
その中で様々なイベントが起こる。それが「ステーション」として悲しみの道に記録されている。

 

悲惨なシーンしかなくて見てて相当しんどい映画だったが、これを観てきたおかげでステーション巡りがとても充実した。充実していいのかわからないけど。

 

映画観てからこの記事を読むと、またおもしろさが増すと思う。

 

では行ってみよう。

 

 

STATION 1 イエスが死刑判決を受ける

 

たしか写真ここだった気がする。

ローマ総督の邸宅で死刑判決を受けるところから「悲しみの道」は始まる。

 

 

STATION 2 イエスが十字架を背負わされ刑場ゴルゴダの丘へ向かって歩き始める

 

「ステーション」がわかりやすいよう、こんな感じになっている。

この場所でローマ兵によってイエスはむち打ちにされ、茨の冠を被せられる。

現在は「むち打ちの教会」が建っている。写真は教会の内部。

 

ステーション2から3に行く途中に「エッケ・ホモ教会」がある。

この記事を読んでいるお前が何を思ったか俺はわかるぞ。

ローマ総督が群衆に対し「この人を見よ(エッケ・ホモ)」とイエスを引き出したことが由来。

 

ここは神聖な場所だぞ。へんなことを考えるなホモガキめ。

 

 

STATION 3 イエスが十字架の重みに耐えかねて倒れる

現在はアルメニアカトリック小聖堂がある。中には十字架の重みに耐えられず倒れてしまうイエスの像がある。

 

映画ではイエスがローマ兵とかユダヤ教の人にめちゃくちゃ罵声を浴びせられながら十字架を背負って歩いてるんだけど、この転倒するシーンは観ててしんどかった。

 

 

STATION 4 母マリアが十字架を背負ったイエスに会う

現在は教会が建っており、中にはこの場面を現した像が建っている。

 

 

STATION 5 クレネ人シモンがイエスの代わりに十字架を背負って歩く

エスがまともに歩けないので、ローマ兵が一人の男をむりやり引っ張り出して来て、イエスの十字架を背負わせる。

そりゃ鞭で打ちまくったら歩けなくなるやろ。

あとその辺の人とっ捕まえて十字架背負わせるローマ兵の鬼畜っぷりもやばい。
その男はシオンという名前のクレネ人だそうだ。クレネ人って何?私にもわからん

 

STATION 6 女性ヴェロニカがイエスの顔を拭く

映画では既にイエスが顔面血まみれになっている。

そこにヴェロニカという女性がやってきて、絹のハンカチでイエスの顔を拭いてあげたところ、ハンカチにはイエスの顔が映し出されたという逸話がある。

ちなみにそのハンカチはヴァチカン市国のサンピエトロ大聖堂に保管されているのだとか(非公開)。

 

私の中のゴロリ「ホントかなぁ?」

 

階段を上っていく。

 

 

STATION 7 イエスが二度目に倒れる

今では小さい教会みたいなのが建っている。

 

 

STATION 8 イエスが悲しむ女性たちを慰める

ステーションの前で写真をとる私。

なんでこんなポーズしてるんだろう

「わたしのために泣くな。自分と子供たちのために泣け。」とイエスが悲しむ女性たちに語った場所とされているので、その演技でもしていたのかもしれない。

 

私と会ったことがある人ならわかるが、現在の私とは全く似ていないだろう。

この時から18キロくらい太ったからね。なんでやろな。

この頃の体形に戻りたい。

 

 

STATION 9 イエスが三度目に倒れる

現在は聖墳墓コプト教会がある。

なんか、「十字架を実際に背負って悲しみの道を歩くツアー」があるらしい。

写真の十字架は多分それに使われるやつ。

どんな追体験だよ。

 

教会の中はこんな感じ。

ロンドンの地下鉄みたい。

 

ステーション10~14は聖墳墓教会の中にある。

 

聖墳墓教会

 

エスが磔にされたゴルゴダの丘に建てられた教会。キリスト教徒ならだれもが一度は訪れたい聖地であろう。

 

 

STATION 10 イエスが衣を脱がされる

 

狭い


階段を上る

 

STATION 11 イエスが十字架に磔にされる

右の列に並んで参拝する感じ。

ミーハーなので我々も並んで参拝することにした。てかせっかくここまで来たし。神聖だし。

 

列に並んでいるとロシア人の一家が我々の前に割り込んで来て一言

「スパシーバァ~♪」

 

神を前にしてなんだこの図々しさは。

おそロシアだ。

 

 

 

STATION 12 イエスが息を引き取る

ふざけた感じで記事を書いているが、巡礼中は結構真剣にやってた。

この場所の前に来た時、鳥肌が立った。

 

自分が立っているまさにこの場所。2000年前、ここで一人の青年が十字架に磔にされ死んだ。

そしてその死が、彼の残した言葉が人々を変え、そして世界を変えた。

自分は今、そのはじまりの地にいる。

 

別に自分がなにかすごいことをしたわけではないけど、

ここに来たという事実に、なぜか感動してしまった。

 

 

STATION 13 母マリアがイエスの亡骸を受け取る

ステーション13の写真がなかったので天井の写真でごまかす。

 

 

STATION 14 イエスの墓

磔刑後、イエスが墓に納められたとされる場所。この部屋みたいなのが墓。

ちなみにこの3日後にイエスは復活し、その後昇天したとされているので遺体はない。

中に入ることができたのだが、ま~これがすごい行列だったので、さすがに諦めた。

今思えばもったいなかったなぁ。

 

高校生くらいの時から宗教学を齧って、

にわかなりに聖書の解説本なんかを読んでユダヤ教キリスト教について学んできた。

大学4年生になって、実際にイェルサレムに足を運び、彼らの歴史や作ってきたもの、彼らの思いを現地で目で見て、声を聴いて、肌で感じて、
この旅がこれまでの学生生活の集大成なのだと思うと、非常に感慨深いものがあった。

 

いろいろしんどい思いもしてきたけど、なんというか、生きててよかったなって思った。墓の前だけど。

 

・・・

 

お昼を食べる。

 

謎の店。

読めないけどメインとドリンクセットが12シュケル(360円)みたい。

ファラフェルサンド。

写真はポテトしか見えないが、奥にファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)が入っている。

 

砂漠地帯の貴重なたんぱく源。どの宗教のタブーに触れない食べ物なので、ファラフェルは重宝される。

 

けっこう好き。

 

 

昼食を摂ったところで、

 

イスラム教の聖地に行く。

岩のドーム

イスラム教の祖、ムハンマドが昇天したとされる場所に建てられた施設。

イスラム教徒の聖地のひとつである。

遠くから見える岩のドーム

毎週金曜日はムスリムの礼拝の日でムスリムONLYになるので注意。

 

狭い道を歩く。


道を歩いていると、
通路をふさぐようにコテコテのムスリムが座っていた。

 

ピュアJ民のワイは

「観光地のスタッフの人かな?」

と思って声をかけた。

 

「私たちthe Dome of the Rockに行きたいんですけどぉ~・・・」

 

 

ムスリムのおっさん:

あのね〜ローラね〜 : 3秒で笑える人気サイト「ボケて」の秀逸作品【随時更新】 - NAVER まとめ | 笑いが止まらない, 画像で笑ったら寝ろ,  ボケ

 

我々は岩のドームを諦めた。

 

・・・

 

 

 

おまけで最後の晩餐の部屋に行った。

”最後の晩餐”は「横並び」?_b0304722_11454498.png

似てなくね?

 

 

 

お土産屋さんでPIKA JEWというパンチの効いたTシャツが売っていた。

Pikajew T shirt Hebrew letters T shirt - Etsy 日本

店内は撮影禁止だったので画像は拾い物だけど。

ゲラゲラ笑った。

 

 

こういう不謹慎なものは好き。

 

 

 

次回、6日目:イスラエルパレスチナ

 

つづく

 

分断がテーマのバックパック旅 その4.5日目:ユダヤ教、キリスト教、イスラム教についてゆるく解説

今回は宗教と歴史の話。

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長ったらしいかもしれないが、この旅行記を読むのが少し楽しくなるかもしれないから我慢してクレメンス。

 

私が旅行しているイェルサレムは、ユダヤ教」「キリスト教」「イスラム教」3つの宗教の聖地だ。

 

一見無関係に思える3つの宗教がなぜイェルサレムという小さな街に聖地を持っているのか。その説明をする。

 

というかいっそのことこれらの宗教について解説してやる。

覚悟しろ、この記事の文字数は3500文字だ。

 

 

ユダヤ教

ユダヤ教 - Wikipedia

概要

 古代イスラエル王国に発祥し、唯一神ヤハウェ」を信じる一神教である。ユダヤ教を信じる人とその血筋=ユダヤ人を神から選ばれた選民とみなし、救世主(メシア)の到来を信じる宗教。

 

歴史を遡ると、紀元前11世紀にパレスチナイェルサレムがあるあたりの地域は歴史的に「パレスチナ」と呼ばれていた。)にユダヤ教信仰者=ユダヤ人が住んでおり、ヤハウェを崇拝する神殿を建てたりしていた。

まあこの頃から外の国からちょっかいを出されて国を滅ぼされたり、神殿を壊されたり、迫害されたりと散々な目にあっていた。

その中で「自分たちユダヤ人だけが選ばれし民族なんだ」といった選民思想や、「救世主が現れて我々を救ってくれる」といったメシア思想が強くなったと考えられている。

 

紀元前500年ごろになると自分たちを迫害していた国が滅びて自由になった。

ユダヤ人たちはパレスチナに戻り、また神殿を建てなおしたりしたが、最終的にはローマの支配下に置かれるようになった。

 

(このあたりでキリストが現れる。後述)

 

ローマは宗教の自由を保障していたので、ユダヤ人たちはある程度自由にさせてもらっていたのだが、西暦1世紀あたりになるとユダヤ人に対する税金がキツくなったり、宗教的な自由を制限する動きが出てきたため、ローマに対する反乱が起こった。

その結果、せっかく建て直した神殿をローマ軍に破壊されたり、ついにはパレスチナを追放されることになってしまった。

 

そこからユダヤ人は世界各地に散らばりながら生活を送ることとなった。

 

それからの彼らの歴史も悲惨なもので、世界各地で、後述するキリスト教に迫害されるため、ユダヤ人はまともな職に就くことが難しかった。

そのため当時は卑しいとされていた金貸し業をするしかなかったらしい。

その結果ユダヤ人にお金持ちが多くなり、ますます嫌われるようになった。

 

借りる方も借りる方だろ。

富豪や実業家にユダヤ人が多いのはこの歴史が関係するとかしないとか。

 

迫害を受ける中で、ユダヤ人たちは世界各地でコミュニティを築き

「いつか救世主が現れて俺たちを導いてくれるだろう。その時は絶対パレスチナに戻って、俺たちの国・・・イスラエルを取り戻そう」と心に誓いながら生活をしていた。

 

みんなから嫌われていたユダヤ人だが、20世紀、卍 ひげのおじさん 卍が現れたことでますますやばいことになる。

そう、ユダヤ人大量虐殺「ホロコーストだ。

ホロコーストによるユダヤ人の死者は600万人と言われている。

 

第二次世界大戦後、国際世論が「さすがにユダヤ人たちかわいそうだよね。いままでいじめててごめんね。」あと戦争するときにユダヤ人の富豪からめっちゃお金借りたから、恩返ししないと怖い目に合いそうだよね。

となり、パレスチナ地域にユダヤ人のための国を作ってあげることにした。

 

その時にできたのが、イスラエルだ。

イスラエル建国するときに、もともとパレスチナに住んでいたアラブ人(≒イスラム教徒)を無理やり追い出したりした。

この地域に住んでいたアラブ人たちは自分たちが住んでいた場所をパレスチナだとし、イスラエルを認めていない。お互いにイェルサレムが自分たちの国の首都だと言い張っている。

そんな背景があるから国際的にはイスラエルの首都はテルアビブということになっているのだが、Google君はイスラエルに忖度している模様。

 

まとめると、

ユダヤ教ユダヤ人の宗教

ユダヤ教の特徴は選民思想ユダヤ人しか勝たん

ユダヤ人が建てた国がイスラエル。建国の際にパレスチナと揉め、現在に至る

 

 

キリスト教

キリスト教 - Wikipedia

概要

紀元後30年ごろ、イエスが十字架に架けられた後、3日後に復活したことを信じ、キリスト(救世主を意味する)とあがめる宗教。その直後から少数の信者団体である原始キリスト教団が生まれた。後に、イエスが生まれた年はキリスト紀元とされ、現在の世界基準の年代表記となっている。

 

紀元前後にローマの支配下にあったユダヤ人の中に、エスという青年がいた。

エスユダヤ人だし、ユダヤ教の信者であった。

だが、ユダヤ教選民思想とか、ユダヤ人界隈が内輪ネタで盛り上がってるのに対して反対意見を述べるようになる。

 

「神様はユダヤ人だけじゃなくて、神を信じる人ならだれでも救ってくれるって言ってたよ。」

とか言って街を歩き始めるようになる。

エス本人のぐう聖っぷりもあって、いつしかイエスを囲う集団が形成されるようになった。

エス自身は「新しい宗教つくったろ!」という訳ではなく、「神様は新しいことを言っている。俺はその声が聞こえるから代弁しているだけ」というスタンス。

そのため、当初はユダヤ教エスと呼ばれていた。

 

しかしイエスの活動は、選民思想ホルホルしているユダヤ教の偉い人からすると、

「パっと出の若者がなんか神が言ったこととして大嘘ついて回ってユダヤ教を悪い方に導いてる!けしからん!」

という気持ちになる。反感を買ってしまったのだ。

 

そして、イエスが力を付けて教会の権威が脅かされることを恐れたユダヤ教の司祭と、同じくイエスの集団が反乱の分子になることを恐れていたローマ帝国は組み、
紀元30年ごろ、イエスイェルサレムにある「ゴルゴダの丘」で十字架に磔にされ処刑された。

ちなみに、十字架の刑はローマで死刑をする際のスタンダードな形式だった。

 

その後、エスが復活したとか、弟子がイエスの教えを人々に広めたりといろいろあり、

「もしかして、この前死刑にされてたイエスって実は救世主だったんじゃね・・・?」

と人々は思うようになる。

そしてユダヤ教から独立して誕生したのがキリスト教である。

※「キリスト」とは救世主という意味

 

キリスト教は、「ユダヤ人しか勝たん」なユダヤ教と違って、「神様を信じたらみんな救われるんやで~」の精神なので、めちゃくちゃ受けがよく世界中に広まった。

 

まとめると、

ユダヤ教徒のイエスの教えをもとに生まれた宗教

・「神を信じれば誰でも助けてもらえるやで」の教えで世界中に信者を獲得

ユダヤ教的には「イエスは救世主ではないし嘘つき!神様は"ユダヤ人しか勝たん"って言ってるもん!キリスト教なんで邪道!」というスタンス

 

 

イスラム

ムスリム - Wikipedia

概要

イスラム教(イスラーム)は、現在のサウジアラビアを発祥地とし、唯一神アッラーへの絶対的な服従を説く一神教の宗教。7世紀の初頭、神から啓示を受けた最後の預言者とされるムハンマドによって創始された。

 

唯一神アッラーって言ってるし、ユダヤ教キリスト教との関係ってなくね?

と思うかもしれないが、この神「アッラー」はユダヤ教の神「ヤハウェ」と同じ神様のとこ。呼び方が違うだけで同一なのだ。

なので、ユダヤ教キリスト教イスラム教も、同じ唯一神を信じる宗教として共通している。

 

前述の2つの何が違うのかというと、めちゃくちゃざっくり言うと。イスラム教は

「神様のお言葉の最新版やで~」というもの。

ユダヤ教キリスト教の教えを踏襲しつつ、

これが唯一神の教えの最新版。そしてこの先のアップデートはないらしい。だからこの教えの通りに生きような

と言っているのだ。

そして神様の教えを人々に広めたムハンマドは、イェルサレムで昇天したらしい。

 

このムハンマドの教えがまあサウジアラビアを中心とした中東でバスった。パレスチナに住んでいるアラブ人たちにもね。

 

イスラム教のスタンスでは、神様の意お告げを聞いてイスラム教の開祖となったムハンマド「最後にして最大の預言者

 

ユダヤ教キリスト教からすると

「な~にが最後にして最大の預言者じゃ!神様がそんなこという訳ねーだろバーカ!うそうそ!」

といって認めてない感じ。

 

そんな感じで、それぞれの宗教が

 

神様の教え_原本.txt

神様の教え_こっち使え.txt

神様の教え_最新版_いじるな.txt

 

みたいになってしまった。

 

まとめると、

ユダヤ教キリスト教と同じ神を信仰。

・2つの宗教を踏襲しつつ「俺たちの宗教が神様の教えの最新版な」というスタンス。

 

 

 

 

・・・長くなってしまったが、以上で解説を終わりにする。

イェルサレムにはユダヤ教キリスト教イスラム教の3つの宗教の聖地が数多くある。

次回からは、それらを見ていこうと思う。

 

分断がテーマのバックパック旅 その4日目:イスラエル②死海

2018年9月6日(4日目)

 

 

朝目が覚めて、知らない天井を見て「そっか、今イスラエルにいるのか・・・」となる。

朝起きた時にその場所が自室じゃないとちょっと焦る。

 

今日は死海に行く。

 

イキリオタクなら誰しもが聞いたことがあるであろう「死海」。

死海文書」とかもうロマンの塊である。

死海文書の類義語に「実家の学習机の引き出しにしまったままの中学生時代の黒歴史が書かれたノート」がある。

 

 

ホテルの兄ちゃんから死海行きのバスの時刻表をもらった。

 

兄ちゃん「Ride on the bus 486. and you can get to the Dead Sea.」

Central Bus Station(イェルサレムバスタ新宿的な場所)からEin Bokek(死海があるところ)に行く。

イェルサレムの街中

ホテルを出て徒歩一分でこの景色。
「うわー!海外来ちゃった!」って感じがすごいする。
なんというかこの中東感が最高。

 

なぞの鳥

キジバトの亜種。

 

 

バス停に到着。

Central Bus Station(Jerusalem Central

 

言われた通り486のバスに乗る。

 

1時間40分くらいのバス旅

謎の文字。エモい。

はえ~これが死海か。

死海は塩分濃度が高すぎて生物が生きられない。名の通り死の海である。

元々は海で、標高が低いこの地域に海水が多く溜まってたんだけど、
陸地が隆起してきて陸の中に海水が残ってできたのが死海
数千年、数万年と時間が流れるにつれ、海水は蒸発していき、塩だけが残った結果
やばい塩分濃度になってしまったのだ。

 

ちなみにここは海抜マイナス442m。海に行って東京タワーを逆向きにぶっさしたよりも深い場所だ。

 

 

ウェミダー!

切れ痔持ちの同行者と死海に入る。大丈夫かな。まあええか。
「傷口に塩を塗る」とは言うが、これから彼は傷だらけのアナルに塩を塗る状況なのだ。
なんだこの状況。痛いに決まってるだろ。

「ケツ筋引き締めて海水が穴に触れないようにしながら入るわ!」

うっせーな

 

ウヒョォォォォオオ!!

塩分濃度が濃すぎて体が浮かぶ。

噂には聞いたことがあったが本当に浮くんだ!
体が浮き輪を付けた状態みたいになる。めっちゃ楽しい。

イキって本を読む始末である。

 

死海でキャッキャしてたら男の人に話かけられた。

「あの・・・日本人ですか?」(日本語で)

まさか死海で日本人旅行者に出会ってしまった。

 

というわけでパシャリ。

左がワイ。熱狂的な私のファンに私の裸の画像を「新しいフォルダー(1)」という名のエロ画像フォルダに保存されないよう体は隠しておく。

 

どうやら彼は大学2年生でバックパック旅をしながら世界を回っているところだそう。

なぜか大学4年生の私たちより年上だったが気にしない。

イスラエルの前はトルコにいて、宿代をケチるために公園で寝ていたら身ぐるみ全部ひっぺがされたらしい。どんな人生だよ。てかよくそのままイスラエルに来たな。

面白すぎる。

 

チャリで来た

 

この人に「今まで行った国で印象に残ってるところとかあります?」って聞いたら

「インド。あれよりもひどい国はない。終わってる。」

 

インド、一体どんなヤバイ場所なんだ…

 

死海をおもちゃにして遊んだところで帰る。

 

バスには充電用のUSBポートがついていた。

なんかイスラエルにデータ抜かれそうだから充電しなかった。

 

 

バスに乗って谷を走っていると突然バスが停止した

動揺する車内に突如銃を持ったイスラエルの軍人が3人乗り込んできた。バスはおそらく軍人に止められたのだろう。

軍人の一人が「Show Me Passport!」みたいなことを叫び出す。

緊張が走る車内。慌ててパスポートを見せる我々。

ガムをクッチャクッチャしながら乗客一人ひとりのパスポートや身分証明書をじろじろ眺める軍人たち。態度が悪すぎる。

 

一通り乗客の身分を確認したあと「お前らはここで降りろ」
といったことを言い、一部の乗客がバスを降ろされた。

見た感じイスラム教徒やアラブ系の人たちだった。

バスにいるアラブ系の人を降ろした後、満足げな顔をして軍人は去っていった。

 

こえ~!

 

なんか疲れた。

Central Bus Stationに到着し、バスから降りて、路面電車に乗り換えて、ホテルに戻る。

youtu.be

ヘブライ語は我々の文字とは逆から文字を読むため、電光掲示板では左から右へ文字が流れる。

ヘブライ語→英語→アラビア語ヘブライ語→英語・・・って感じで案内がされて、
文字が右へ左へ行ったり来たりする。これが見てておもしろい。

 

途中で寄った公園

名古屋市千種区みたいな形してんな。

 

千種区のマークの由来は?|ちくさん

 

 

ホテルの近くにある売店のおっちゃんが疲れを癒してくれた。

イスラエルで出会った数少ないいい人間。

 

 

GoogleMapsに売店の情報がなかったのだが、この通りにあった。

 

疲労困憊だったのか、この日はこの後の写真がなかった。

 

 

 

明日はイェルサレム旧市街に行き、キリスト教聖地巡礼をする。

 

 

次回、5日目:イスラエル③イェルサレム旧市街・・・

 

つづく