救いを求めて旅と酒

やや思想が偏った旅行記です

分断がテーマのバックパック旅 その8日目:イスラエル⑥ ドキドキ出国編

 

 

2018年9月10日(8日目)

今日はイスラエル国からキプロス共和国へ移動。

空港でレンタカーを借りてアヤナパという街まで行く。。。予定。

 

ホテルをチェックアウトし、タクシーで空港へ向かう。

今日はユダヤ歴の正月で、電車もバスも運休なのだ。

朝7時、空港到着。

10時45分発の飛行機だが、かなり早く着いてしまった。

 「CO 483 LARNACA 10:45」に乗りたい。

なぜこんなに早い時間に来てビビり散らかしてるかというと、

前回記載した通り、イスラエルは出国が世界で最も厳しい国のひとつなのだ

 

出国にあたり、1つでもやらかすと別室送りになる。

※「別室送り」は海外旅行界隈の用語で、海外での入国審査や出国審査時に危険人物とみなされた旅行者が、謎の密室に誘導されて様々な取り調べを受けさせられるとこを意味する。

 

我々は別室送りになってもワンチャン飛行機に乗り遅れないで済むように、ありえんほど早く来たという訳だ。

 

 

ここで改めて出国時の流れをおさらいしよう。

 

【通常の流れ】
チェックイン

手荷物検査

出国審査

出発

 

日本から海外に行くときも、海外から日本に帰る時も、ほとんどがこの流れだ。

出国検査の際に審査官がパスポートをパラパラめくって渡航歴を確認して、顔を見たりして怪しくなければ出国OKとなる。

 

そもそも日本人は世界レベルで人畜無害扱いを受けているため、こういう時

「え?お前ちゃんと仕事した??」って思うレベルですんなり出入国できる。

 

 

が、イスラエルの場合はどうだろう

 

イスラエルの場合】
チェックイン

☆空港職員と面接

☆手荷物検査(エクストリーム)

全身検査

出国審査

出発

 

 

?????

 

 

この面接と手荷物検査で地雷を踏むと、即別室送りになる。

 

どんなところに地雷が埋まっているかは追々説明をしよう。

ちなみに空港の写真はほとんどないので文章ばかりになってしまう。

許してクレメンス。

 

 

という訳で早速チェックイン

これはびっくりするほどあっさり終わった。

日本の空港でチェックインするのとまったく一緒。

 

次は空港職員との面接

チェックインカウンターの近くにテーブル?台?があり、チェックインが終わると強制的に案内される。

 

グループでチェックインしても面接は一人ずつしか受け付けられない

職員とは英語で話さなければならないため、多少の語学能力が必要だ。

 

面接のトップバッターは私になった。

 

ざっくりこんな内容を話した。

Q. パスポートと搭乗券を見せなさい。
A. はい。(渡す)

 

Q. 1人で来た?
A. 2人で来た。

 

Q. いつお前のホームカントリーを出た?
A. 9月3日

 

Q. いつイスラエルに入国した?
A. 9月5日

 

Q. イスラエルの前はどこの国にいた?
A. ロシア

 

Q. どこに泊まった?
A. イェルサレムとテルアビブ

 

Q. ホテルの名前は?
A. (スマホを見せる)

 

Q. いつ日本に帰る予定だ?
A. 9月20日

 

「質問は以上だ」

「うい~」

 

このタイミングでパスポートの後ろにシールを貼られる。これで面接は終了。

この面接やのちの検査に関して、日本人バックパッカーの中でまことしやかに噂されている地雷がある


それは…
イスラム圏の渡航歴があると別室送り
パレスチナに行ってると別室送り
③シールの番号の下一桁が4〜6だと別室送り

ということ。

 

 

イスラム圏の渡航歴があると別室送り
マレーシア、インドネシア、トルコ、アラブ首長国連邦サウジアラビア…まあこんな感じの国だ

 

イスラエル中東戦争の歴史があってイスラム教国とはまぁ仲が悪い。

 

「お前、イスラム圏に行った後にウチに来るってことは…

何かテロを起こす気だな!?!?」

 

と糖質もびっくりな思考回路で警戒されて詰む。そして後述のシールの番号に影響が出る

 

 

幸い自分はそれらの国への渡航歴がなかったのでセーフ。

これからトルコに行くけどな!HAHA!!

 

 

 

パレスチナに行ってると別室送り

読んで字のごとく。パレスチナに行ったことがバレると詰み。

 

行ってるんだよな~俺たち

 

パレスチナに行くとアウトな理由は、敵国であるパレスチナに何かの支援したと思われるから

 

とりあえず現地で撮影した写真とかはうまいこと隠そうね!

 

 

 

③シールの番号の下一桁が4〜6だと別室送り
これもまたバックパッカー達の間で噂されている話

面接の後にパスポートに貼られるシールはこんな感じ。
5年前に貼られたやつだからだいぶ古びてしまってる。

 

パスポートにシール貼っちゃだめっておとうさんやおかあさんから教わらなかった??

 

ここで重要なのは下一桁。

下一桁は1〜6のどれかになる。

 

1〜3・・・セーフ(無害認定)
4   ・・・微注意人物認定。確率で別室送り
5〜6・・・アウト。別室送り

 

日本人の旅行ブログを見ると

「自分は2だったけど一緒に行った友達が5で、その結果友達だけ別室に連行された」とか
「私は4でしたが別室送りになりました」とかいろんな体験談がある。

 

とりあえず、貼られたシールが4以上なら詰み。

 

私は2だったのでセーフ。
日頃の行いがいいから仕方ない。

 

 

安堵したところで、今度は同行者が面接をする番が来たので遠くから聞き耳

 

1d100
《聞き耳》 25%→??

 

《聞き耳》 25%→5(クリティカル!)

 

 

うーん、聞こえる聞こえる・・・

 

Q. どこから来た?

A. 日本

 

Q. いつ日本に帰る予定だ?
A. 9月3日(今日は9月10日)
Q. ???

 

時空超越系ガイジ爆誕。英語でうまいこと会話できてなくて間違った回答してんな

 

Q. (パスポートを開く)
直前の旅行先、マレーシア、アラブ首長国連邦、インドのスタンプが押されている。

数え役満渡航がそこにはあった。


Q. マレーシアに家族はいるか?
Q. アラブ首長国連邦に家族や友達はいるか?
Q. お前この国で何やってた?

 

怒涛の質問ラッシュを受けていた。

 

 

数分後・・・

 

 

同行者(干からびた顔でやってくる)

私「シールの下一桁なんだった?」
同(スッ・・・)

 

パスポート「7」

 

7!?!?!?!?!?wwwwww

 

1〜6までしか存在しないはずなのに

7!?!?!?

 


面白すぎる

 

あ、これ詰んだな

 

「彼はイスラム教徒とつながりを持っており、

イスラム教国に赴き反ユダヤの過激派と何か怪しい取引をした後にイスラエル渡航

そこでパレスチナ人と会い、イスラエルに不利益な情報や物資を提供した人物に違いない」

 

たぶんこんなシナリオが空港職員の中で組まれたのだろう。

そうじゃなければ前代未聞の7などとるわけがない。

 

 

あ~飛行機取り直しか〜幾らになるかなぁ…

いつ解放されるかなぁ…

なんかキチゲ溜まってきたなぁ…解放したいなぁ…

 

最悪の想定を頭の中でグルグルさせて、

胃がキュゥゥゥウウ…って締め付けられる


変な笑いが込み上げてきた。

 

 

まあいいや。同行者は別室送り確定として

まだ私の身が安全なことが確定したわけではない。

 

手荷物検査でパソコンやカメラを待ってるとデータをみせるよう要求されることがあるとか
そこでパレスチナに行った事が明らかになると別室送り。

 

なんとかなれーーーッ!!!(ちいかわ)

 

 

まあ、手荷物検査でPCやスマホ、カメラの中を見られることは想定しているので、

パレスチナで撮った写真はPCの中に非表示フォルダを作ってそこに避難させた。

 

なんでこんなリスクを冒してまでパレスチナに行ったのか・・・

出国の時にドキドキ感味わいたかったからである。

 

ちょっと後悔してる。

 

 

 

 

手荷物検査

身体検査

 

手荷物検査に進もうとしたら空港職員に呼び止められて急遽廊下の脇で検査を実施することに。

ん??目つけられてんな我々????

 

靴と靴下を脱がされた。

3種類の棒を服の全ポケット、かばんの全ポケットに突っ込まれた。

何の検査なんだろう・・・

 

手荷物検査と身体検査、これだけで15分くらい掛かった。

日本なら3分かからんぞ。

 

幸い、スマホ等は見られなかった。

見てもいいんだぞ??俺はお前たちの一枚上手を行ってるがなぁ???

 

なんだかんだで手荷物検査と身体検査は終了。

 

 

あとは出国審査のみ。

そろそろ別室送りかな~~

 

と思ったら特に何事もなく、

出国審査も秒で終わって自由になった。

 

 

あれ??俺たち問題なかったってコト!?

 

拍子抜けだな??

 

結局のところ、シールの番号の噂はデマであることが発覚

数々の地雷を回避し、別室送りにはならなかった。

 

なんだよ!!!!もう!!!!胃を痛めて損した!!

何はともあれ、、、、

 

自由だ~!!!!

 

 

この時の自分のインスタグラム。

殺意に満ちている。

 

 

 

空港でやることと言ったら一つしかないよね。

そう、ラウンジ乞食。

goo.gl

タダ酒、タダメシうんめ~!!!!!
プレッシャーから解放された後の酒はくっそ美味い

アルコールが五臓六腑に染み渡る。。。

 

そういえば、イスラエルは入国時と出国時に、

パスポートにスタンプを押さない代わりに変な紙をくれる。

入国は青。出国は赤だ。

 

パスポートにイスラエルのスタンプが押してあると、イスラム圏にはまず行けなくなるからね。

イスラエルはその辺の空気を読んでスタンプを押さないで紙で対応しているのだ。

 

おまえやればできるじゃねーかよ

 

ちなみに出国時に、青い紙をなくしていると別室送り

もうなんなんだお前。

 

 

でももうこんなヤバい国とはおさらばできるんだ。

その幸せだけで酒が美味い。

あ~お代わりしよ・・・・・ん?

 

 

/(^o^)\

 

 

気分上がりすぎてこの後車運転することを忘れてた。

同行者に謝罪。お許しを得る。ヨシ!!飲も!!!

 

 

 

・・・

 

 

飛行機に乗る。

コバルト航空 テルアビブ→ラルナカ


ウィイイイ!!!!!!!!!

 

 

言論の自由表現の自由が保障された途端キチゲ解放。

この頃の口癖が

「キッパ引っぺがしてひっぱたいてやりたい」

だった。

 

どうして我々はこんな人間になってしまったのだろうか。

その真相を探るべく、イスラエルに行ってみてほしい。

 

 

・・・

 

 

イスラエルから解放され、キプロスに到着。

 

 

キプロス共和国

 

 

時刻は13時くらい

キプロスの名古屋、ラルナカ国際空港

 

いや、名古屋は適当。

 

ギリシア文字がお出迎え。

キプロスギリシア語を使うようだ。

厨二感があって良い。

 

キプロスはヨーロッパ人たちの、日本でいうところのハワイ的なポジションらしい。

連休とって家族で行って、海に入ってバカンスする感じ? 素敵やん・・・

 

我々からしたら、

イスラエルとかいう修羅を潜り抜けた後のボーナスステージって感じ

 

この旅行のボーナスステージ・・・楽しみつくしてやる

 

 

てなわけで、レンタカーを借りに行く。

 

 

KEM Rental Cars

私は酒を飲んでいるせいで運転できないので、同行者が運転する。ごめんね。

 

 

スタッフ「~ please fill petrol~」

同行者「ぺ・・・何?」

私「petrol。ガソリン」

スタッフ「YES! "GASORIN"」

 

一同「www」

 

英語でガソリンのことガソリンって言わないんだよね。

 

 

 

借りる車は日産のマーチ。

せっかくならヨーロッパの車に乗りたかったな~と思いつつ、日本車がこんなところにも進出してるのをうれしく思ったりした。

 

ここからしばらくは車旅になる。

海外での運転、正直怖い。でも楽しみ。

 

キプロスは日本と同じ左側通行なので安心して運転できる。

運転しているの私じゃないけど

 

アヤナパのホテルに到着。

例によって(ry


Millie's Apts

 

家主のおばあちゃんに「男二人かい!アハハハハ!」って言われた。

文句あっか

またまたGoogleからの借り物だが部屋はこんな感じだった。

 

ダブルベッド・・・普通だな!!(麻痺)

 

 

・・・

 

 

その後は時間が余ったので海を見に行ったりした。

この世ではない感じ。良い。



立ち入り禁止の橋でヨガのポーズをとる謎の外国人に遭遇

頭おかしい。怖すぎる。

 

話してる言葉を聞くに、おそらくロシア人。

ここのヨガ女といいイェルサレムで出会った割り込みババアといい、

ロシア人って頭おかしいのかな(暴言)

 

イスラエルの方向に中指を立てる

 

ぜってー許さねぇからな。

 

 

 

・・・

 

 

夕飯を食べる

 

海辺のオシャレな店へ。

goo.gl

 

あああ^~

久しぶりのまともな食事。

5日間ずーっとファラフェルばっか食べてたから肉がおいしすぎて頭爆発しそうになった。

 

これで1600円くらい。最高。

久しぶりに健康で文化的な最低限度の生活を送れて涙出そうになった。

 

キプロスはこんな感じの、一枚の皿にいろんな食べ物が乗っかってる料理・・・名前忘れた・・・が有名らしい。

マジで名前が思い出せない。思い出したら記載します(GAUGE)

 

 

・・・

 

 

そして今日はもう疲労困憊なので早々に寝ることにする。

解放の喜びと安心感と疲れが一気に襲い掛かってきた。

今日はダブルベッドでもスヤスヤ眠れる。

 

 

明日からまた新世界。

 

イスラエル編が終わり、キプロス編がはじまる・・・

 

 

 

次回、9日目:キプロス②・・・

 

つづく