救いを求めて旅と酒

やや思想が偏った旅行記です

分断がテーマのバックパック旅 その6日目:イスラエル④ パレスチナ自治区とバンクシーアート

ブログの1枚目の写真がサムネになるということにようやく気付いたのでサムネ用にキャッチーな写真を貼っておく。

 

2018年9月8日(6日目)

 

そうだ パレスチナ、行こう

ニコニコ動画なら間違いなく「例のアレ」になるネタ。

パレスチナって何?ってことだが、

めっちゃ卑近かつダメな例えをするならば、
北方領土に日本人が生き残って住んでいて、ロシアに差別されながらもなんとか生きてて、その人たちが「ここは日本だ!」って言い張って頑張って居住地を確保して暮らしてるってイメージしてもらえればいい。

 

Google Mapsでは領土が出てこない。なんでやろなぁ(すっとぼけ)

イスラエルが違反し続けているパレスチナ自治区の分割の歴史

パレスチナ歴史的にいろいろあって、領土がすこぶる小さいのもあるけど、
大人の事情で国連に認定されていない国なのである。

 

国として認めるかどうかも問題になっているため、

メディアによってパレスチナだったり、パレスチナ自治区だったり、表記がぶれている。

 

おおよそ赤で囲まれたエリアがパレスチナだと思ってもらって問題はないと思う。
いや、問題があるんだよな。めんどくせーな

 

イスラエルを出国する際、パレスチナに行ったことがばれると別室に連行され数時間の取り調べを受けることになるらしい。

こわいな~戸締りしとこ。

そんなリスクを冒してまでパレスチナに行く必要はないだって?

面白そうだから行くにきまってんだろ。

 

 

今回はベツレヘムという都市に行く。

 

ベツレヘムはイエス聖誕の地だったり、

バンクシーの絵が数多く見られることで有名だ。

 

 

旧市街近くのバスターミナルからベツレヘム行きのバスに乗る。

goo.gl

バスの運転手の趣味が全開。

Bethlehemの文字

 

言ったら空港に軟禁される割には行きやすいのがトラップすぎる。

イスラエルって国全体がハエを引き寄せるゼリーみたいな感じなのかな。

 

 

死海に行ったときみたいに急にイスラエル軍の兵隊がバスに乗り込んできてあれこれあるのかな~と身構えていたが、すんなりとパレスチナ自治区に入った。

 

パレスチナ自治区パレスチナ国)

パレスチナの旗

 

さてさて、どんな風に回ろうかな~と考えていると
謎のおっさんが車から降りてきて

バンクシー?ウォール???」

と言いながら近寄ってくる。

 

怪しい~と思いながら話を聞くと

「タクシー! I drive!Many famous place! 100 シュケル!」

※1シュケルイスラエルの通貨)30円くらいだったので、3000円くらい。

 

ここに来る前に何個かパレスチナ旅行記を読んでいたのだが、
パレスチナは観光客相手に「車で観光地案内をするからお金くれや」って言ってくる人が多い。

しかもタクシーの運転手でもなければ本当に一般人のおっさんだから面白い。

 

相場はわかっていたのだが、だいたい60~80シュケルくらい。

女子旅ブロガーだとなぜか40シュケルだったりする。羨ましい。

 

ちょっとごねて80シュケルにしてもらった。

100シュケル札で払ったら「Thank you」とか言っておつり返してくれなかった。

やってんな。

 

おつり返してくれなかった代わりにいろいろ連れてってもらっちゃうけどね。

街からヘブライ語が消えた。

 

あと、信号待ちで車が止まると、どこからともなく子供が出てきて車の窓を拭きに来る。

窓を拭いた後に「金くれ」のポーズをする。

どうやら窓を拭いて車に乗ってる人にお金を貰うことで生計を立てているようだ。

 

車に乗っている人はみんな無視するのだが、たまにお金をくれる優しい人もいるのかな。

10歳にも満たない、小汚い恰好をした子供がお金を稼ぐために一生懸命窓拭きをする光景は見てて悲しかった。

 

とか言いつつ自分もお金あげてないんだけどさ。

 

聖誕教会

 

 

そんなこんなで最初の目的地、聖誕教会(降誕教会)に到着。

ベツレヘムのこの場所が、イエスが生まれた場所だとかなんとか。

昨日の「悲しみの道」巡りの時も思ったが、キリスト教のガチ勢たちはイエス関連で出来事が起きた場所に教会を建てすぎなのである。

 

「ここでイエスが生まれたんか!教会建てたろ!」

はえ~ここでイエスが鞭打ちにされたんか!教会建てたろ!」

「ここで転んだんか!教会建てたろ!」

「グエ~イエス様死んだンゴ・・・ここに教会建てたろ!」

 

なんJ民の鑑。なんJのJはJesusなのかもしれない。

内村鑑三に怒られそう。

 

こんな感じで生まれたんやでっていうやつ。

もうちょっとこう・・・なんとかならんかったのか?と思ったり思わなかったりした。

 

礼拝堂。ステンドグラスに日が差し込んで神々しい。

教会ってこういうの計算されてるんだろうね。すごいなぁ(コナミ

 

同じ教会にあるまた別の礼拝堂。

 

エスが生まれた場所なだけあって、装飾のガチさが尋常じゃない。

日本の宗教はどちらかというと質素な建物が多いと思うから、
こういった豪華絢爛な宗教施設は圧倒される。

 

 

バンクシーのアートを見に行く。

パレスチナ側はなんというか、町が寂れてる。

街を歩く人も、余暇時間や可処分所得を消費して楽しんでいる感じの人はほぼおらず、
みんな生きるために必死な感じがする。
イスラエルに追いやられたアラブ人たちがなんとか頑張って暮らしてるって感じがすごくする。

決して一事が万事そんなことはないとは思うけど、とにかく、
イスラエル側にいるユダヤ人たちにある「余裕さ」がパレスチナにいるアラブ人には感じられなかった。

 

バンクシーのアート

 

バンクシーという名前は誰もが聞いたことがあるであろう。
アートの巨匠と言われている現代アート家。

彼については、その素顔も、年齢も、何もわかっていないのだから面白い。

彼の特徴は「ステンシルアート」と呼ばれるものだ。

ざっくり言うと、時間をかけてじっくり絵を描くのではなく、
型を持ってきて、上からスプレーで「シャー!」てやって秒で絵を残して秒で帰る。

 

その絵も政治的なメッセージが強いため「芸術テロリスト」と言われることもあるそう。

そんなバンクシーパレスチナに赴き描いたとされるアートをこれから見ようではないか。

 

有名な、爆弾じゃなくて花束投げる男の絵

 

その辺の塀とか壁に描かれているからその辺の落書きと同一視しちゃうけど
バンクシーが描いた絵ってだけで世界中から人々が集まるからすごい。

 

パレスチナに足を運んでくる人を増やして、パレスチナで起きている問題を知ってほしいとか、パレスチナにお金を落としてほしいとか、そういう狙いがあるのかもしれない。

 

イスラエルパレスチナの国境にある分離壁

イスラエル側が勝手に建設して、パレスチナに住んでいる人々の来往を阻んでいる。

ここにもバンクシーの有名な絵があったはずなんだが・・・見つからなかった。

 

ネットからの拾い物で恐縮だが、こんな絵。

 

バンクシーパレスチナでこのアートを作成したあと、次のようなコメントを残している。

 

イスラエル政府はパレスチナ自治区を取り囲む壁を建設している。この分離壁ベルリンの壁より3倍も高く、完成すると全長700キロメートルにも及ぶ。これは、ロンドンからチューリッヒまでの距離と同じだ。この分離壁は、国際法上では違法で、パレスチナを世界一大きな刑務所に変えた。

 

結構政治的な考えが強いな~と。
彼が思い描く正義や、彼が失くしたいこの世の不条理や悪といったものを人々に訴えかける手段として用いたのがアートなんだなと改めて認識した。

 

壁は、世界中からやってきた名も無きアーティストたちによる落書きで埋め尽くされている。

このトランプはちょっと笑った。

 


見たいところも見れたので、イェルサレムに戻る。

せっかくだからまた旧市街に行ってみるか。

 

すっかり夜。



夜の旧市街。昼間とはうってかわってしっとりとした陰鬱さがあっていい感じ。

 

嘆きの壁ではユダヤ人が相変わらず嘆いていた。

 

この黒いスーツを来た人たちはユダヤ教の中でも「超正統派」と言われる人たちで、

ユダヤ教の中でもかなり厳格な派閥らしい。

もみあげを伸ばしているのだが、それも神からの教えに従っているのだとかなんとか。

 

そして超正統派は仕事をしない。
なぜなら生涯神に仕えて聖書を研究することが超正統派のやることだからだ。

「俺たちは聖書を研究することに忙しいんだ。仕事は他の民族やユルい宗派の奴らがやればいいだろ」のスタンス。

超正統派は仕事をしないから全員生活保護で生きている。

ひろゆきも真っ青。

そして超正統派は聖書の教えに真面目だから子供を作りまくる。

そして子供も超正統派だから仕事をしない。

そんな訳で超正統派はイスラエルの財政を圧迫しまくるから、イスラエルの中では嫌われてるというか、腫物の扱いを受けているようだ。

面白すぎる。

 

パレスチナに住んでいる人たちはあんなに苦しい思いをしながら今日明日生きるお金を稼いでるというのに、お前らはパレスチナ人から搾り取った土地でのんきにニート生活をエンジョイしやがって・・・

 

おっと危ない、反ユに目覚めるところだった。

ブログに書いていないだけで割と差別的な扱いを受けてたりしているので、
どっかのちょび髭おじさんになりかけるところだった。

 

はやくホテルに戻らなきゃ。

今日は旧市街の近くに泊まってみたいということで、違うホテルを予約している。

いつもと違う帰り道、楽しみ。

 

 

旧市街を歩く。



ゴミのポイ捨てがめっちゃ多い。くさい

よく神様に最も近い聖地でこんなことできるなーと民度の低さに衝撃を受けた。

 

街の外にはアラブ人たちの青果市場があった。



ユダヤ人はいない。

イスラエルにいるユダヤ人はだいたい超正統派みたいな黒スーツを着てるか、頭にキッパを被っているから一目でユダヤ人だとわかる。

ここにいるのはパレスチナ側の人=アラブ人だろう。

 

AFCとかいうコテコテのケンタッキーをパクったご飯屋さんに入る。

 

ここ数日ファラフェルばっか食っていたのでチキンとポテトの油が五臓六腑に染み渡った。(飯の写真は撮り忘れた。ケンタッキーのフライトチキンみたいなの食べたよ。)

 

店主とその奥さんがアラブ人で、どうやら日本人観光客に会うのは初めてのようでとても良くしてくれた。いろいろしゃべった後「一緒に写真を撮ってくれ」と言われてなぜか写真を撮ったりした。

アラブ人はいい人が多いなぁ

 

 

 

帰り道、ヤク中3人組と彼らが散歩するきったねぇ犬に絡まれた。

 

 

男1「ンニィィィイイイハオ ニィィィイイイハオwwww」(迫真)

男2「ヘーイ!ユー!w 〇#$&%???!www」(腕を掴む)

女「アッキャキャキャキャwwww」

汚い犬「ワンワンワンワン!」(迫真)

 

怖くて逃げた。死ぬかと思った。

 

あいつらキッパ被ってた。

ユ〇ヤ人め。〇すぞ

 

 

 

満身創痍でホテルに到着。

 

リボリ ホテル

 

 

部屋の写真を撮り忘れたのでGoogleから拝借。

 

セミダブルベッド→ダブルベッドに昇格したのが嬉しかった。

 

このホテルのある場所が、外務省のHPにある「渡航危険区域」の中にがっつり入ってるのにこの時気づいてくそ笑った。生きて帰れるかなぁ

 

今日は死ぬかと思ったし死ぬほど疲れたし、自分自身が負の感情にかなり汚染されていることに驚いた。

 

明日は首都、テルアビブに行く。

イスラエルを抜けるまでに我々のキチゲが解放されないことを願うばかりだ。

 

次回、7日目:イスラエル⑤テルアビブ

 

つづく